日本でのガラスの名称と語源

ガラスは現在の生活になくてはならないものです。窓ガラスや食器、ビン以外にも、電子機器の部品やレンズ、光ファイバ等様々なものに使用されています。日本の産業としても、ガラスは世界トップシェアを誇る最高クラスのものです。
そんなガラスは、弥生時代から日本で使用されてきました。時代が移るように呼び名も変え、徐々に人々の暮らしへ溶け込んでいったガラス。

まず初めは天然のガラス、「黒曜石」。北海道の「十勝石」で有名ですが、これは火山岩の一種で、マグマからできています。日本でも旧石器時代の後期から石器(ナイフや矢じり、槍の穂先)として利用されており、金属の刃を持たない時代は貴重な資源でした。

それを除くと、日本のガラスは中国や韓国から原材料を輸入していました。
そのころの呼び名は、「瑠璃/琉璃(るり)」や「玻璃(はり)」。これらは外来語です。
「瑠璃」は奈良時代に中国語の「瑠璃」…瑠璃とは青色の美しい宝石ラピスラズリ【lapis lazuli】の名称。

「ビードロ(ヴィードロ)」室町末期 ポルトガル語の「vidro」…意味はガラス。またはガラス製の玩具(びいどろ、ぽぴん、ぽっぺん)。
「ギヤマン(ギィヤマン)」江戸時代 オランダ語「diamant」…ダイヤモンドの意味。もしくはポルトガル語「diamao」 斬り進むの意味。 ※ダイヤモンドで加工されたカットグラスのことを指していたらしい。
「ガラス」江戸時代 オランダ語「glas」 意味はガラス。

では「硝子」という言葉はどこからきたのか。
明治初年(1876年)創業の官営 品川硝子製造所が、原料に硝石を使っているところから「硝子」の文字を与えたようです。

いつも思うのですが、日本の言葉(和名)は響きや使用される漢字が美しいものって多いですよね。
硝子や玻璃という漢字も、ギヤマンという音も、ただの「ガラス」とは別物のような美しさがあるなぁと感じます。

窓ガラスの他、家具やドアのガラス修理は窓猿